忙しさと暑さにかまけてなかなかレポートをアップできていませんでしたが、重い腰を上げてようやく書く気分になってきました。
さて、今年度最初のさんかくサロンは去る6月22日に開催!
今年の4~6月は、わが栃木県がJRのデスティネーション(DC)キャンペーンの対象地となっていまして、10月には烏山城築城600年を迎えるという、那須烏山市では観光に関してまさに”風が吹いている”状況なのです。しかも、今年3月には5年に一度の那須烏山市の観光振興ビジョン(第3期計画)が新たに策定されたばかりというタイミングの良さ。
「もうこうなったらここ以外ないでしょ!」と言うわけで、第9回目の今回は、「那須烏山市の観光まちづくり最前線」をテーマに、商工観光課の職員さんをゲストにお呼びしました♪
いつもは若手の職員さんをゲストにお呼びすることが多い当企画ですが、今回は観光振興ビジョンの策定に際して中心的な役割を担ったベテランの職員さんをお呼びして、観光振興ビジョンと今後の観光振興のあり方についてお話をしてもらうことになりました。
観光という旬なトピックを扱うこともあってか、参加者が20名を超えるという平常回では異例の人数が集まり、観光に関する市民の関心が高いことがうかがえます。
【ゲストからのレクチャー】
まずは恒例のゲストからのレクチャーで幕開け。
商工観光課は文字通り「商業・工業・観光」に関する業務を担う部署であり、商工振興グループと観光振興グループの大きく二つに分かれ、ゲストの属する観光振興グループでは主に、①観光客・宿泊客の増加策、②観光施設の維持管理が主業務となっているそうです。
なお、はかりの定期検査やオレオレ詐欺などの消費者被害などの対応も商工観光課の守備範囲らしく、商工観光というと華々しいイメージを抱きがちかもしれませんが、地味な仕事も意外とあるようです。
【トークセッション】
続いてゲストトークの内容を掘り下げるトークセッションのコーナー!
ゲストトークでは時間が足りなかった関係で、まずは那須烏山市の観光振興ビジョンについて概説してもらいました。
要点は、
・那須烏山市を取り巻くネガティブな状況(人口減少、財政悪化)
・市内の観光客入込数の推移(ピーク時の平成17年は80万人?→3.11の頃には約40万人まで減)
・市内の観光の繁閑期のギャップ(7~8月の夏場に集中している)
・国の観光立国推進の政策
・稼げる(=持続可能な)観光への転換の必要性
・そのための推進体制(ソフト)の確立
といったところでしょうか。
これらを課題として踏まえた上で新たに設定した基本方針が、「地域資源×市民力=新たなスタイルの観光・交流のまち 那須烏山」という将来像の文言にまとめられているとのことです。
それで、具体的に何をしていくか?ということなのですが、ネット上にはまだ振興ビジョンの完成版がアップされていないので、このような抜粋の資料をもとに解説してもらいました。
とりわけ重要なのが「那須烏山における日本版DMOの育成」および「市観光協会の機能強化」と言えそうです。
と言うのも、那須烏山市の場合、観光客が夏場に集中しがちなのですが、観光産業を盛り上げるには年間を通して集客を図れるコンテンツをもっと磨き上げる必要があります。しかもいわゆるブランド力のある観光地とは違って、市内にある観光資源を個々でバラバラのままPRしていっても限界があるので、それらをうまくコーディネート(組み合せ、編集)して観光客に情報発信するという高度なノウハウが必要になります。
ただ、マンパワーが不足がちな現在の市観光協会ではそうした新しい動きにまでは手が回らないので、人員増などで観光協会の体制を強化しつつ、民間のコーディネーター組織を育成していきたいというのが狙いのようです。
なお、現在のところ、那須烏山市ではDMO組織は存在しませんが、それに限りなく近いことをやろうとしている団体が実は市内にあるのです。
そこで、トークセッションのサブゲストとして、NPO法人クロスアクションの代表・高橋誠一さんにも登場してもらいました!
クロスアクションは、都市農村交流と(公共空間を利活用した)中心市街地活性化を事業の二本柱に掲げ、市外の観光客向けのモニターツアーの企画や古民家おおぎすのプロモーションのお手伝い、JR烏山駅前や山あげ会館でのマルシェイベントの企画・実施、地域の商品開発(黒ビール等)etc...実に多岐にわたる活動をされている団体です。
※本日のこの会場である「ぷらっと」も実は地域内外の交流拠点としてクロスアクションが管理・運営しているイベントスペースです♪
高橋さんもこの観光振興ビジョンの立案に深く関わっていたのですが、その作業をしながら感じたのが、勝負はここ5年くらいではなかろうか、ということだそうです。
山あげ祭りが昨年ユネスコの文化遺産に登録され、今年はDCキャンペーンを迎える等、市外の観光客が那須烏山に関心を寄せる絶好のタイミング。そうした好機のうちに勢いを持って事業化を進めていかないとという危機感を持って、現在、様々な領域での活動を活発化させているとのこと。
ここ最近は、行政と一緒になって公共空間や有休空間を活用したイベントの企画・運営もいくつかこなしており、イベントのコーディネートをしていて感じることとして「全てを独力でやるのは難しい」ということがあるそうです。
つまり、小さな規模でも良いので、もっと多くの住民や地元団体がイベント企画者(=プレーヤー)として人の集まる賑わいの場を創出して、まち全体のいろいろなところが賑わっているというのが、観光や市街地活性化のための重要な動きになるのではないかと見ているようです。
これは冒頭に採り上げた観光振興ビジョンで言うところの「市民力」や「観光地域づくり」といったキーワードに通じるところもありそうですね。
という訳で、再度ゲストに話を振ってみます。
すると、「観光を通じて最終的に稼ぐのは事業者などの民間。行政はあくまでそのバックアップやコーディネート役に徹するので、ゼヒとも、もっと積極的に一歩前進してほしい!」とのゲストの熱い言葉に参加者も一同にハッとさせられます。
つまりイベントを例にとれば、無関心から傍観者へ、傍観者から参加者へ、参加者からお手伝いへ、お手伝いから出店者・企画者へ、というように関心や関与の度合いを一歩でも前に進めていって住民主体で観光ひいてはまちづくりを活発化していってほしいとのことでしょうか。
こうした「協働」、つまり市民が行政におまかせにしないというスタンスは、観光まちづくりの分野だけでなく、きっと市政全般に当てはまることでしょう。
それはそのままさんかくサロンで言うところの「市民参画」に相通ずるのではないかと思わされました。
(その2へ続く)
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