さんかくサロン オンライン[Afterコロナの那須烏山市の「コンパクトシティ」を考える]

去る6月17日、さんかくサロン史上初のオンラインイベントを敢行しました!

題して、「Afterコロナの那須烏山市の「コンパクトシティ」を考える」。

コロナウイルスの影響で日常生活に関する価値観がガラリと変わった訳ですが、私たちの生活を取り巻くまちづくりについても、その価値観の変化は必ず影響を及ぼすはず。

東京を筆頭に「都市のあり方」といったものの価値が大きく揺さぶられる契機になり、一方、過密でない地方に改めてスポットライトが当てられ始める等、今後のまちづくりにも変化が起きそうな気がしています。

そんな中、コロナ前までは今後の地方の都市計画の中では「コンパクトシティ」という考え方が基本的な方針となっていましたが、コロナ前後でその価値観はどのように変わりそうなのか、非常に興味深く思っていたため、オンライン開催の初回のテーマに選んで、興味のある方たちと意見交換をして考えを深めてみることにしました。

ちなみに、イベント開催日現在、那須烏山市ではコロナウイルス感染者はゼロだったものの、イベントでは3密を避けた“新しい生活様式”に即したスタイルを模索すべく、手探りでのオンラインイベントを企画しました。(おそらくわが市内のまちづくり団体のイベントでは初めての試みと思われます。)

オンラインのツールとしてZoomミーティングを用いたのですが、いかんせん主催者が無料アカウントしか持っていないため、40分という限られた時間を駆使してのプログラム構成となり、かなりイレギュラーなタイムスケジュールとなりました(汗)

まるで高校サッカーのように、40分ハーフの前・後半に分け、間に10分のインターバルを設けました。

これはもちろん、Zoomの無料サービスのタイムリミットである「40分」を意識してのことです。これが吉と出るか凶と出るか、、

前半はおなじみの通常回と同じようなプログラム構成で、後半をいつもよりザクっとした意見交換の時間にしてみました。


【ゲストからのレクチャー】

今回は都市建設課の若手職員さんを話題提供者としてお招きし、都市計画とは?というキホンから始まり、都市計画マスタープランの位置付け、那須烏山市の人口予測、それに基づく将来都市構造、コロナウイルス感染症の影響などなど、私見を織り交ぜながらの濃いレクチャーをしていただきました。

こうした内容を10分で説明していただきまして、かなり駆け足でのプレゼンを強いてしまい、参加者にもゲストにも申し訳なかった限りです、、

手元のパソコンではこんな感じで画面シェアをして、参加者にはスライドが見えるようにはなっていたのですが、やはりちょっと分かりにくかったようですね💦

通常のリアル(オフライン)でのプレゼンですと、プレゼンターの顔や目線を確認しながらスライドを見られるので、プレゼンターがどこを説明しているのかや微妙なニュアンスが理解しやすいのかと思われますが、オンラインではそれができないため、聞いている方はプレゼンを追いかけるのに苦労したのかもしれません。

プレゼンターにも同じようなことが言えそうで、オフラインであれば、参加者の表情やしぐさなどからプレゼンのメリハリを柔軟に変えられるものですが、オンラインではその辺の微妙なところが読み取りづらく、心細くなってしまったのではないかと推察されます。

(個人的には、デスクトップ上の人の顔(=2D)とリアルな場で見る立体的な人の顔(=3D)では、ヒトの脳の認知・情報処理の方法が違うために、なんだか疲れるのではないかと思いました)

ちなみに、イベント後の参加者からの感想では、「事前に資料を配って目を通しておくと理解がだいぶ進んだのではないか」という言葉もいただきまして、次回に生かしていきたいと思います!


【トークセッション】

ゲストからのレクチャーを受けて、ちょっと気になったことがいくつかあったのでそれを深堀りさせてもらいました。

まずは那須烏山市の人口減少がショッキングなことになっていることについて再度触れることに。

平成19年にマスタープランを作成した際には、平成29年の人口は30,000人を目標にしていたらしいのですが、蓋を開けてみると実際には27,461人と目標よりも約1割も減少幅が大きかったようで、想定以上の人口減少が進んでいるということになります。(これは那須烏山市に限ったことではなく、他の大半の地方自治体においても当てはまることと思います。)

この人口減少のトレンドにおいて、まちのフレームワーク(=都市計画)をどう設定するのか、本当に悩ましい限りです。

その苦肉の策として「コンパクトシティ」という解決策(コンセプト)が提示されるわけですが、「今回のコロナ禍を受けて、そのコンセプトにも影響があるか?」というのが今回のキーポイントになりそうなギモンでしたので、思い切ってゲストにぶつけてみました。

その結果、あくまで私見でという条件付きですが、「那須烏山市においては、コンパクトシティという方針について、あまり大きな変化はないのではないか」というのが結論でした。

過疎と言わないまでも、もともと過密とは縁のない人口密度ですので、図らずも自然とソーシャル・ディスタンスがとられている訳でして、ライフスタイルの変化はあるにせよ、まちづくりの大枠の方針は変わらないであろうということです。

一方、個別のハード整備の際、公共空間において3密を軽減させるための工夫(密度が高くならないよう空間を大規模化したり、有事の際でも対応可能なフレキシビリティの確保など)は今後求められていくのではないかとのこと。

また、近距離の旅行が推奨されることで、生活圏のエリアで特色ある資源を楽しむというようなスタイルが定着すれば、地域資源の活用にもつながるといったポジティブな側面もあるのではというアイデアも提示されました。

このコロナ禍を通して、これまで見たくないと思ってなんとかやり過ごしていたことに、いよいよ目を向けざるを得なくなってしまったと感じているのは私だけではないと思います。

ゲストとの対話を通して、那須烏山市のまちづくりにおいても、人口減少やまちのフレームワーク構築(=選択と集中)について、いよいよ真剣に向き合わないといけない局面を迎えているのではないかと改めて思い知らされることになりました、、


【参加者意見交換】

後半の意見交換では、トークセッションで出た「選択と集中」をキーワードに、参加者それぞれが思ったことを意見交換する機会としました。

その冒頭では、ゲストトークやトークセッション中に参加者からチャット機能を使って募った参加者からのコメントをゲストに投げたりという、Zoomならではのアクティビティも入れてみたりしました。

このチャット機能というのはけっこう面白い魅力を秘めているかもしれません!

コンパクトシティについてどう思うか?といきなり問われて、参加者の皆さんにとっては戸惑いがあったかもしれませんが、それでも様々な意見が出されて興味深かったです。

ちなみに、実はこの意見交換の中盤あたりで、無料アカウント特有の制限時間が妙に気になりだしまして、クロージングのことに意識が向いてしまい、リアルタイムでの理解が断片的になってしまいました、、

なので備忘録的に、イベント後に改めて募った意見をここに引用させていただくと、

・リモートということをもっと発展させていくのが良い

・コンパクトシティもスマート社会も根幹となす生き方への追及がなければベクトルも決まらない

・福祉に優しいコンパクトシティ(今後、中心部に集まるのは高齢者)

・市街地の住人は人が集まることに対して不満が生じるのではないか

といったコメントが寄せられまして、この短い時間でも非常に面白い知見が得られるものだなと、やはりこうしたまちづくりに関してフリートークできる空間は大切だなと痛感しました。

たっぷり30分とっていた時間はあっという間に過ぎ、Zoomの画面の上の方に何やらカウントが始まり、嫌な予感が頭をよぎります、、


【まとめ】

5分あれば十分!と思っていたまとめの時間は、なんと残すところ僅か1分(笑)

しかも1分を切ると秒数のカウントまではされず、いつ切れてもおかしくない状態に。

締めくくりの言葉を言って、最後に本日のオチを言って笑かして閉会…のはずが、そこにたどり着く前にプツンと終了(苦笑)

情けない幕切れとなり、溜息を漏らすことしかできませんでした。


最後こそ残念でしたが、収穫の多いオンラインイベントとなり、主催者側としては満足のいく企画となったと思います。

次回にフィードバックすべきポイントとしては以下が挙げられそうです。

・正確な情報を伝達するという目的に、オンラインは有用である

・その際に用いるスライドは、オンラインであることを意識したデザインにすべき(込み入った説明がある時は事前に資料を配る工夫も必要)

・大人数での意見交換はオンラインでは限界がある(ちょっと横の人と話したりということができない)

・参加人数にもよるが、Wi-Fi等の通信環境は重要(動画が固まってしまうとプレゼンしにくい)

・Zoomはやはり40分で容赦なく遮断される!(笑)


こうした気付きをもとに、次回以降もポジティブにイベントを企画していきたいと思います♪


至らぬ点が多々ありましたが、参加者の皆さまとゲストには御礼申し上げます!

さんかくサロン

他人任せのままで、このまちの将来ってホントに大丈夫? 那須烏山市を中心に、市民が地方政治に主体的に参画していくための、きっかけづくりの場です。 当面は、市政に関する正しい知識や課題を分かち合うための情報交換の場にしていきます。

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