【参加者同士の意見交換ワーク】
ここまでのレクチャー等を聞いた段階で、各自の「道の駅」構想に対するスタンスがわりと固まってきたことでしょう。
そこで参加者各自のスタンスに基づいて、「賛成または条件つき賛成」チームと「反対または条件つき反対」チームに分かれて、各チーム内で地域のあるべき未来についてプチ作戦会議のワークをやってみることにします!
正しい情報に基づいてスタンスを定める(賛成や反対という意見を持つ)ことは非常に重要なことなのですが、今回はそこからもう一歩前に進めてもらいたいと思い、それぞれのスタンスをどのように現実に落とし込んでいくか(実現可能性を高めるか)というリアリティを持ったものにブラッシュアップしていくことを狙っています。
(なお、自分のスタンスと反する意見を否定するためのアイデア会議ではないため、前向きな意見を積み上げていことに重点を置いたプログラムにしてあります。)
また、そのプロセスを通して、このまちの課題についても見える化できやしないかという淡い下心もあったりしますが(笑)
さて、そのお題がこちら。
<賛成チーム>
①道の駅が果たすことのできる、那須烏山市に求められる“必要な機能”とは何か?
②レクチャーで指摘されたリスクを回避しつつ、上記の“必要な機能”を満たすには、具体的にどのような道の駅にすればよいか?
<反対チーム>
①これからの那須烏山市に求められる“必要な機能”とは何か?
②道の駅を作らずに上記の“必要な機能”を満たすには、どのような地域政策や市民の取り組みが必要か?
ちなみに、今回のレクチャーで触れた「機能」以外にも、まちを構成する機能はいくつもあるので、思いつく例を以下のように示した上で、グループごとに考えてもらいました。
参加者14人に対して、賛成チームが2班(6人)、反対チームが2班(8人)と理想的なバランスで分かれることになり、どんな意見が出てくるのか非常に楽しみです♪
実は今回の意見交換ワークは50分も時間を確保していたものの、ここまででけっこう濃密なレクチャー続いて時間が押してしまった都合上、若干短縮してのワークとさせていただきました、、すみません!!
各自の思い入れがあったりアイデアが多岐にわたったり等、やはり時間が足りなさそうなグループもありましたが、とりあえずいったん区切らせてもらって、各グループの意見を全体に向けて共有してもらいました。
賛成チームからは、「情報発信が道の駅の果たす機能」、「トイレ等の休憩時に何気なくまちの情報が入手できると良いので、道の駅は観光の起点になる」といった道の駅ならではの機能が挙げられました。
市外の人に那須烏山市を知ってほしいといった強い思いや、上手に情報発信できていないという現状に歯がゆさを感じていることが聞いていてヒシヒシと伝わってきます。
観光の起点というのは、ヒントの一つかもしれませんね。
情報発信に関連して、道の駅が「公共である」ことゆえの信頼感・安心感があるといったメリットにも言及されていました。
また、小売店側のメリットとして、アンテナショップ的な存在の道の駅に商品を置くことで、自社の存在を認知してもらい実店舗への誘導につながった他自治体の事例も紹介されました。
一方、反対チームからは「那須烏山市を強くしていくというコンセプトのもと、情報発信機能を主とした道の駅+病院+庁舎というような複合機能の施設整備が優先」、「中高生や高齢者目線で、車での来訪を前提としない(道の駅は車での来訪を前提とする)で人が集まれるダベり場的な空間が必要。山あげ会館を使ってやってみたらどうか。」といった案が出されました。
まずネックとなるのはやはり財政ですが、それ以外にも「住んでいる人の幸福度を上げるのが重要」や「市の課題は何か、をまず考えないと」という本質を突くフレーズも出てきて、なるほど、やはり「道の駅の可否」を考える前に、もっと大きな戦略を定めなければならないのではという思いを強くしました。
なお、情報発信機能については反対チームも同様に「足りていない」という認識を共通で持っていたのは印象的でした。
時間の制約もありますので、当然、ここで出てきた案をすぐに実行に移すことは難しいかもしれません。
しかし、「さしあたってのこのまちの課題(ex.情報発信の不足)」と「このまちにおける道の駅的なものに求められる本質的な機能(ex.観光の起点)」といったエッセンスをあぶり出すことに成功したとほくそ笑んでいるのは、私だけでしょうかw
【意見表明シート[after]記入と全体共有】
さて、本日のもう一つのキーワード②の教えてもらう前と後。
ここまで、ある程度客観的な事実に基づく正確な情報をインプットし、さらに賛成/反対各々のスタンスの多様な意見を聞いてきました。
このまちにおける「道の駅」を取り巻く事情について、他のどの市民よりも一番詳しくなっていると言っても過言ではないでしょう。
そんな状態の彼らが正確な情報/多様な情報を聞く前と後で、意見がどのように変わったか…
非常に興味深いですよね~
そんな知的好奇心をくすぐるビフォーアフターについて、本日の感想を交えて参加者のみなさんから一言いただきました。
具体的な内容は割愛しますが、手元で確認しただけでも5人の参加者が教えてもらう前と後でスタンスが変わったと表明していました。
条件つき賛成(before)→条件つき反対(after):3人
条件つき賛成(before)→どちらとも言えない(after):1人
どちらとも言えない(before)→条件つき反対(after):1人
という内訳で、トーンダウンしていることが分かります。
「財政を考えるきっかけとなった」という感想を語ってくれた参加者の言葉に表されているように、やはり実際のコストの情報を知ると「なんとなく欲しい」という理想論に対して、「そこまでコストをかける必要があるのか」という現実的な見方が勝るのでしょうか。
また、今回は参加者の若手農家の方の「市内の農家が高齢化で減っていく中で、道の駅ができたとしても供給体制が追い付かないのでは」という現場を知る方ならではのリアルな情報に触れたことも、検討材料になったかもしれません。
いずれにせよ、大きな政策テーマの是非を市民が考える際、正しい情報をインプットすることはその判断をする上で非常に重要であることが示唆されたシーンになったのではないでしょうか。
【まとめ】
最後まで隠していましたが、主催者である私の、“当イベントをする前と後”がこちらでした。
条件つき反対(before)→条件つき賛成(after)
スタンスのベクトルが賛成方向に変わったのは、唯一私だけでした(苦笑)
その理由は、みなさんの一連のディスカッションを聞いていて、このまちに不足している機能(観光の起点と情報発信)が判明し、それがまちの駅のような規模感で低コスト/低リスク/短期間にて対応可能な感触を得られたことがあります。
そして、ある参加者が「道の駅について話している市民は楽しそうな雰囲気を感じた」と語っていたように、「道の駅」に対して情熱や親しみを持っている市民が一定数いて、彼らが民間主体として「道の駅」の企画・運営にマンパワーを提供しうるのではと思い至ったのが大きな要因でした。
ことほど左様に、情報をしっかりインプットすることで、まちの課題に対するスタンスというのは変わる可能性があるものです。
スタンスは人それぞれですので、そこに正解/不正解はなさそうです。
しかし、確実に言えるのは、正しい情報のインプットなしになんとなく定めるスタンスは、けっこうな確率で不確かなスタンスであるということ。
今回得られたこの教訓のエッセンスをこれからのプログラムにもしっかり反映させていきたいと思います!
また、最後の感想のところで「(他のグループの発表に影響を受けて)子どもと若者を育てる場所の整備の方が先じゃないのかなと思うようになった」と語った参加者もいて、ひょっとすると、道の駅うんぬんのだいぶ手前の、このまちをどう方向付けるのかというグランドデザインの設定がまずは先なのではないかというのが、この一連のプログラムを通じて痛感しているところです。
その点も今後のイベント企画のヒントにしていきたいところですね~
ちなみに、(運営側は気づきませんでしたが)いつの間にか廊下が暗くなって教室の蛍光灯が煌々と光っており、過去最長のロスタイム延長、、
にもかかわらずこうして長い時間お付き合いいただいた参加者の皆さんとゲストには感謝です。ありがとうございました!!
0コメント