【トークセッション】
この分野を語る上では、あまり聞きなれない言葉や表現が出てきてしまうのはどうしても避けられないことなのですが、さらに嚙み砕いて理解するために、トークセッションを通じてもう少し根掘り葉掘りお聞きすることにしました。
これまた情報量が多かったので、代表的な会話を要約したものを会話形式でまとめました。
(代表)
「那須烏山市議会ならではの特色のようなものはありますか?」
(ゲスト)
「100の議会があれば、100のやり方があり、ローカルルールがものを言う世界。那須烏山の場合は、他市町村に比して少ない給料で頑張っているのが実情です。号泣議員で話題に上った政務活動費(調査費)ですが、それもなく、自前で頑張ってくれてます!」
(代表)
「市民の声を聞くのが制度上担保されていないのはオドロキです! 議会報告会などの市民との意思疎通の場がこれまでなかった理由はあるのでしょうか?」
(ゲスト)
「元来制度がなかったので、そのような場が設けられなかった面が多分にあるのではないでしょうか。各議員は各々の考えで自主的に意思疎通を図っているようです。」
「市民から議員さんに対して「市にかれこれこういうことをやって欲しいのだが、あなたはどう思う?」という問題提起・意見提言を伝えるのがベストでは。それを繰り返すことで議員の中でその政策をブラッシュアップしていき、それを議会の中で提言していくというのが理想かもしれません。」
「そのような議論を行なうには、議会報告会の形はふさわしくないかも…。例えば、さんかくサロンのような民間の場で、議員さんと自由に意見交換をする場を提供してもらうという方が、公平性などを過剰に意識しないで済む分、議員さんの考え方も引き出しやすく、案外近道なのではないでしょうか。」
【請願権について】
さて、今回のサブテーマが実はこの「請願・陳情権」というものです。
子ども議会の資料にもありましたが、市民から市議会に向けて”願いを伝える”という矢印がひいてありまして、これはなにも議員さん個人と対面で議論したり要望を伝えるだけではないのです。
実はそれ以外のチャネルとして、市民が議会に対して市政への意見や要望を「請願書」という書面により提出することで、公的な議会の場で議論がなされるというシステムがあるのです。(この請願権というものは、憲法16条や地方自治法で定められたれっきとした権利だそうです。)
請願書を提出する場合には、1名以上の市議会議員の紹介が必要でして、紹介議員のない請願については、陳情として取り扱われます。受理された請願(陳情)は、所管の常任委員会等で審査し本会議で採決される、という流れになるようです。
市民が自分達の実現したい政策を請願・陳情の形で議会に伝えて、議会がそれに対して真剣に議論して採択の可否を判断する訳ですので、かなり公的かつオープンな場で政策課題がもまれることになるということですね!
いやー、知らなかった~!! うまく使えば、これは間接民主主義を補完する有効なツールになるのでは!
そんな気持ちから那須烏山での現状を伺うと、年間で数件の請願・陳情がなされるが、だいたい半数は「この道路を直してくれ」や「消防車庫を建て替えてくれ」的な極めて個別具体的なお願いで、残り半数は「国の制度に対して反対なり要望を出してくれ」というような市政に関連がない内容とのこと。
初めて聞くような内容を専門の職員さんが語ってくれるだけに、参加者はみな興味津々で聞きこんでいますねぇ。
ちなみに、請願の審査の過程では、①法令上の権限があること、②願意が妥当であること(公益性、財政事情、将来計画などを鑑みて)、③実現の可能性があること等の事項が一つの判断基準となっているようです。
採択された請願に法的拘束力はないのですが、採択された場合、執行部(市長/行政)も議会の決定をそれなりに重く受け止めるはずですので、優先順位があがるといった効果はあるかもしれませんね。
肝心の請願書のボリュームですが、これがまた思いのほか分量が少ないことに驚かされました…ゲストからは、参考情報として兵庫県宝塚市の請願書(同市のサイトでは市議会の活動状況とあわせて請願書の内容をPDFで見られたりします)を見せてもらったのですが、A4サイズのペーパーで1~2枚ほどの分量で、必要事項さえ書いて紹介議員のサインがあれば受理できるそうです。
市民の声を市政に届けるための重要ツールになる予感。
【意見交換ワークショップ】
ということで、「実際に請願書を模擬的に作ってみようワークショップ」をやってみました♪
ワークショップのプログラムをデザインしてくれたのは彼。今日はリーゼントで安心しましたw
ワークショップでは参加者を2班に分け、那須烏山市の請願書のフォーマットを用いて、各グループで一つの請願書を仕上げるというもの。
具体的には、
①個人でポストイットに請願の内容を記入
②グループ内でアイデアの共有とテーマ設定
(①の内容をシェアし、共感度と提案者の本気度を踏まえてテーマを一つに選ぶ)
③請願内容の受益者は誰かを明確化(請願の審査基準を意識しつつ)
④請願理由と併せて請願用紙を完成させる
という流れの意見交換ワーク。
お菓子をポリポリ食べてお茶を飲みながら、みんなでおしゃべりしていくと、なんとなく議論が深まっていきます。アルコールが入るとまた一段と盛り上がりそうですね(笑)
請願権は基本的にどの自治体でも行使できる権利です。那須烏山市外の方たちも、真剣に議論しています。
最後に請願書に落とし込みます。
サンプルがあるものの、みんなの意見を一つにまとめるというのも、これがなかなか骨が折れるものですね。とりまとめご苦労様です!
最後に各グループのアウトプットを全体で共有し、ゲストに寸評してもらいました。
たかだか40分程度のワークショップで請願書の体裁を整えることができました。本気で時間をかけてやればかなりクオリティの高い請願書ができあがるのではないでしょうか。紹介議員さんのサインをいかにもらうかはさておき。
ゲストの方からは請願権の新たな使い方というか思わぬ効果に気付くことができた旨の感想もいただきまして、双方にとって学びのある場になったのではないかと思います。
そんなこんなで、ややマニアックな内容の第6回さんかくサロンは終了。
今回は初めての土曜日開催でしたが、忙しいところ参加していただいた皆様、ありがとうございました!
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