第13回さんかくサロン(那須烏山市長編ー第2回目)

今年の夏は暑かった、、

暑さでコロナウイルスの動きも鈍ったのか、(人為的な感染拡大が時たま見られるものの)感染状況が一段落しそうな合間を狙って、実に約1年ぶりとなる通常回を開催しました!

市内の各イベントが軒並み中止や延期を強いられる中、地域の活動が低調となり、それにあわせて市民の地域への関心や関りが大きく低下しているのではないかという課題意識のもと、あえて対面で意見を交わすスタイルの通常回にこだわってみました。

そうしたチャレンジングな企画に賛同してくれたのが、今回のゲスト、川俣市長です。

未曽有のコロナ禍にあって、やはり行政としてはイベント等の動きが非常に取りづらい状況にあり、民間が先陣を切ってイベント開催の実績を重ねていく他ないという考えが一致し、コロナ対策を万全に整えることでリアルな対話の場を設ける運びとなった次第です。


川俣市長には市長就任間もない頃、「勝手に第1回 市長&若者まちづくりミーティング」と銘打ったサロンイベントにゲストとして来ていただき、市民参加を中心テーマに市民とのざっくばらんな対話の場を設けました。

早いもので、それから約2年半が経過し、折り返し地点を過ぎたこのタイミングで、その中間報告のような場を設けたいと考えました。

題して「勝手に第2回 市長&市民まちづくりミーティング」!

コロナ対策を意識して、定員40名程度のスペースに対して上限定員を15名程度に絞ったのですが、ほぼピッタリの参加者数となりました。(それでもやや密な感は否めず…)

一応のソーシャルディスタンスをとりつつスタートです!


【トークセッション】

まずは前回同様に、ゲストとコーディネーターによるトークセッション。

実際に2年半、市政運営を通して得られた手応えや今後のビジョン、若い市民と話していて思うこと等について、ざっくばらんに意見交換を交わしました。

当初やろうと思っていた旧2町同士の運動会の開催が未実現のままであることに代表されるように、“旧烏山”と“旧南那須”の壁の厚さを日々痛感されているというのが率直な感想でした。

また、各種の住民説明会等で得られた知見として、「住民からの質疑応答の際、最初に発言する人の意見によって流れが変わるなぁ」という気付きがあったとのこと。いかにポジティブな議論をするかの参考にしなければならないということで、今後の市庁舎整備の是非を住民と進めていくプロセスの中では、けっこう重要になってくるポイントかもしれません。

他に前向きなメッセージとしては、「市民(特に若い世代)には、是非とも市を好きになってほしい」ということも挙げられました。市民と話していて、市のこと(市の良いところや観光資源、有力な地元企業があること等々)を知らない人が結構いるなと感じており、その辺をいかに知ってもらうかが課題とのこと。

一番印象的だったのは、「(この市のことやその政策領域に)愛着を持っている市民からは建設的な意見が出てくる」という言葉だったでしょうか。表面的な理解だとどうしても単なる否定に終始しがちなところですが、きちんと知ったりすることで責任を持った意見や前向きな意見が出されるようになり、それはそのまま様々な改善に直結することとなります。

わがまちのこととしていかにジブンゴト化してもらい、自分たちで舵取りしていくという姿勢を市民に持ってもらうかを課題として考えるさんかくサロンとしても、考えなければならないキーワードと言えそうです。


また、今回はいつもと趣向を変えて、ウェブで事前に収集したアンケート結果を市長にぶつけるというアクションも実施!

・那須烏山市での暮らしの満足度とその理由
・川俣市長のイメージ

・知っている市長の公約や政策の成果

・地域住民との対話機会を十分に作っているかの評価

・対話の機会として、期待する方法

・市長に聞きたいこと、伝えたいこと

についてアンケートを募集したところ、30名を超える市民(うち約8割が30~40代)から様々な有意義な回答を得ることができ、2年半の川俣市政に対する客観的な評価として提示させていただきました。

例えば、「川俣市長は地域住民との対話機会を十分に作っていると思いますか?」という問いに対する回答がこちら。

肯定的な意見がやや優勢なものの、意見が分かれるところであることが分かります。

一方、別の設問に対する回答(下図)からは、市長の公約や成果を「特になし」や「知らない」と回答した割合が多数に上り、市長の市政ビジョンが市民に対して十分に浸透していないであろうことがうかがわれました。

それらを併せて考え、住民との対話機会を今まで以上に努力して作っていかなくてはならないのではないかという結論を、耳の痛い話ではありますが、市長に対して強く示させていただきました。


【意見交換ワーク】

後半は通常回ならではのホットな対話の時間!

事前アンケートから見えてきた課題として、市長と市民の双方に認識のギャップがあるのではないかということが浮かび上がったので、それを埋めるための取り組みを考えるプログラムにしました。

どちらか一方だけの問題ではなく、あくまで双方の課題。

双方にとって、「自分がやるべきこと」ないしは「相手に期待すること」を言葉にしてテーブルに広げ、それを双方が共有することで少しでも建設的な方向に進めていくのが狙いです。

一見するとコムズカシそうですが、下のようなフレームワークをベースに、各自が考えた意見をもとに他の参加者と意見交換してもらい、全体で共有しながらホワイトボード上の空白のフレームワークを穴埋めしていってもらうことにしました!

ひとまず市長から出てきた意見を先に書き出してみた、意見交換前のホワイトボードの様子がこちら。

意見交換を経てどのように変化するか、楽しみですね~

久々の最前線での活動に歓喜する相方の雄姿。

オールバックとマスクはちょっと相性が…(笑)

ソーシャルディスタンスを気にしながら、ディスカッション開始!

※蒸し暑い夏の夜ですが、窓を全開(もちろん、網戸つき!)にして盛大に換気も忘れずに。

みなさん、マスクエチケットのご協力ありがとうございます♪

グループごとのディスカッションの後には、各グループから主だったアイデアを全体に向けて共有してもらいます。

その結果、各グループから様々なアイデアが出され、ガラガラだったフレームワークが賑やかに♪

都合よく要約すると、以下のようになりますかねぇ~

<市長が自らに課すこと>

・市民との対話の時間を取る!゙‥‥①

・市民への情報発信をもっとしっかりやる!


<市民が市長に求めること>

・「広報お知らせ版」に地域の人・団体の紹介ページを設けてほしい!

・民間の商品をトップセールスしてほしい!‥‥②

・オンライン(動画やSNS)を使った情報発信を強化してほしい!‥‥①

・防災ラジオを活用して市長の声を定期配信しては!‥‥①


<市民が自らに課すこと>

・商品開発を積極的に進める!‥‥②

・「広報お知らせ版」をちゃんと読む!‥‥①´

・地域に足を運ぶ!


<市長が市民に求めること>

・まちを良くするポジティブなアイデアや提案を出してほしい!

・民芸館等での販売商品のPRを積極的にしてほしい!


上のフレームワークのマトリクスをタテ・ヨコ・ナナメに見ていくと、見えてくるものがいくつか出てきます。

例えばヨコの方向で見てみると、様々なツール(デジタル、アナログ問わず)を用いて市民との対話を強化する必要性(①)が浮かび上がります。加えてタテに見ると、そのために市民は、身近な情報ツールである「広報お知らせ版」に興味を持つことで、対話の姿勢を持つべきであること(①´)も分かってきます。

また、ナナメの方向で見ると、「市民(民間企業や団体)は商品開発を積極的に進めるから、その分、市長もトップセールスをしっかりやってよ!(②)」という実にポジティブな意思の共有を見える化することもできたりします。

本当は、「じゃあ市民が言うんだから、思い切ってこの中でこれをやりましょうかねっ!」という市長の宣言を聞きたかったのですが、残念ながらそこまでは踏み込めず、、

実際のところ、何かやりませんかね~、市長!!


【まとめ】

新型コロナ感染症対策でやれること、やれないことの制限があったものの、やはり対話の場というのはいいなぁとしみじみと感じた回となりました。

ただ、参加者から最後の感想で出された、「イベントとして単発でやって終わらせるのではなく、具体的な成果につながると良い」という意見は非常に耳の痛い話でした。

確かに、市長との対話の場を持つことはあくまで「手段」に過ぎないもので、対話(ひいては市民の市政への参画)を通して市政が今まで以上に良くなることが「目的」ですので、ここで得られた気付きなりアイデアを具現化することが求められるわけです。

今後の活動では、その辺をもうちょっと強く意識していきたいと思います!


ちなみに、最終盤で参加者から突如出てきたのが「旧2町の中心あたりで収穫祭と市民の主張大会をやる」という壮大なアイデア(笑)

前方の方にマイク1本を置いておけば、めいめいが好き勝手にマイクを片手に語り出し、それと地元食材を肴に美味しい酒を飲んだらさぞ楽しいことだろう──そんな思いつきの(けれどもつい共感してしまう)アイデアを気軽に市長に言えてしまう、このユルくてフラットな場というのはやはり大切ですねぇ~

近い将来、コロナが落ち着いた暁には、その収穫祭にて市長と市民が肩を組んで疫病退散の祝杯を挙げたいものです。

さんかくサロン

他人任せのままで、このまちの将来ってホントに大丈夫? 那須烏山市を中心に、市民が地方政治に主体的に参画していくための、きっかけづくりの場です。 当面は、市政に関する正しい知識や課題を分かち合うための情報交換の場にしていきます。

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