【パブコメ挑戦の経緯】
先日、市役所を訪れた時のこと。
入口を入ってすぐのところに、テーブルの上にハコが置いてあるのが目に入りました。
なんだろうと思って近づいてみると、「那須烏山市議会基本条例(案)に対するパブリックコメント」と書いてあります。
※こちらがそのページ。
「これがウワサのパブコメか!」と思い、テーマも市議会についてだったので興味が湧き、資料を手に取ってしげしげと読んでみました。
条例というとなんだかお堅いイメージをしていたのですが、案外分かりやすいシンプルな作りだったので、これなら無知な自分でも少し言及できるかもしれないと思い、ちょっと個人的に思うところを書いてみることにしました。
なお、資料を手にしたのは締め切りの約1週間前のこと、、(募集期間は12/25~1/23と約1ヵ月のタイムリミットがあり、長いような短いような。)
数日は頭の中でボンヤリと論点を整理し、まとまった時間が確保できた休日の夜、家族が寝静まったのを見計らって一気呵成に仕上げました!
さて、その内容を以下に紹介します。
【パブコメの内容】
第13条の後に、本会議等の内容をテキストにしてウェブ及び紙媒体にて公開する「会議録」の位置づけを明確にする条文を追加すべきと考える。
具体的には、「(会議録等による情報公開) 第〇条 会議の議事録は会議録としてまとめ、可及的速やかに公開するものとする。」のような条文を追加することを提案する。
その主な理由は、以下の2点である。
(理由1:会議録の重要性について)
・決議の結果だけでなく、結果に至るプロセスにこそ市政の課題に関する多くの重要な情報が含まれている。
・会議が公開されていても、大半の市民は時間の制約上、平日に開催される議会をリアルタイムにチェックすることができない。
・また、個別の議員と一定のコネクションを持っている限られた市民以外の一般の市民にとっては、会議の要点を把握できる情報を気軽に入手することが困難である。
⇒「会議録」はそうした課題を低コストで補完することができる重要なツールである。とりわけ、現在公開されているようなPDFデータ化された会議録はテキスト検索も容易にできるため、市民が効率的に情報を収集するための時間短縮につながるもので、今後より一層の活用が期待される。
(理由2:公開の迅速性について)
・現時点で、会議録の公開は会議後の約2~3ヵ月後(例えば、平成30年の第4回定例会の場合、第1日(9月4日)に実施したものが11月30日にウェブにて公開。※なお、第5回定例会は11月30日から開始)となっており、タイムリーな情報公開となっていない。
・すなわち、次回定例会の直前に公開される状態となっており、前回定例会の内容をその次の回にフィードバックしたいと思っても時間的な余裕が全くないことになる。そもそも、数ヵ月も経過してしまうと関心が薄れてしまい、重要な情報も見過ごされてしまいがちである。
・本来であれば、例えば1~1.5ヵ月での公開といったスピード感が求められる。なお、三郷市(埼玉県)等いくつかの自治体では、議会終了後約1ヵ月程度で「速報版」を公開する仕組みを構築しており、原理的に不可能ではないと思われる。
⇒現状の情報公開のスピード感では、P10の解説に示されている「市民と議会との間で情報や意見がスムーズに行き来できる状態」とは言えないと思うので、その解消のためにも「迅速な会議録の公開」を目指してほしい。
【パブコメの解説】
以上が全文になります。
ウェブサイトへの議事録の掲載がタイムリーでないので改善してもらいたい、というのがつまるところの主旨です。
他にも行政に対して意見を述べるツールとして、広聴箱という制度もあるのですが、これだと1対1の関係でのやり取りとなり、議論が文字通りブラックボックスの中で処理されてしまう(意見によっては、プライバシー等の観点から公開されない方がかえって良い性質のものももちろんある)ので、今回は広聴よりもパブコメを使った方がより広く注意を喚起することになるかと思い、パブコメという手段を用いました。
少し工夫した点は、「理由2」の中で他自治体の事例について触れたこと。
議事録のウェブへの掲載が遅いという不満が独りよがりでないか心配になったので、ウェブで検索して調べてみたところ、同じような不満を持つ人の投稿がいくつか見つかり、変な安堵感を感じつつ読み進めてみると、「役所に問い合わせた結果、こんな返答が返ってきた(はぐらかされた)」的なコメントが目に付きました。
なるほど、こうやってかわされてしまってゼロ回答ではつまらないなと、少しばかり悪あがきがしたくなりまして、いくつかの先行事例で出ていた役所側の回答(「業者の都合等でどうしてもその日数がかかってしまう」というような頭ごなしな諦めトーン)を参考に、とある先手を打つことにしました。
具体的には、「いやいや、短縮化を図っている他の自治体の実例がいくつもあって、先例あるから不可能じゃないよね!」と封じてしまう作戦です。
それが、速報版の紹介でした。
ちなみに、こちらが三郷市の速報版のページです。
さて、その結果、どんな回答が待ち受けていたのでしょうか、、
待つこと数週間。
つい先日、パブコメの結果が公表されました♪
参考までに、回答の内容を全文掲載しておきます。
【パブコメの結果】
会議録の作成については、本会議においては地方自治法で、委員会においては議会委員会条例でそれぞれ義務付けられていますが、公表について特に規定するところはなく、今のところ、市の情報公開条例に基づき取り扱っているところです。
その上で、特に重要な本会議の会議録については、現在、業務委託により作成しており事務局における複数回数の校正を経て、会議録署名議員の署名を了したものを当該定例会の次の定例会の初日までにホームページに公開しています。
公開までに約2ヶ月強のお時間をいただいていますが、委託業者の作業速度を上げるためには追加料金が必要となること、また、校正には相応の手間と時間がかかるため他の業務と同時並行で行うことを前提としていること、などの諸条件を鑑みこのような作業工程となっているところです。
さて、速報版の導入についてですが、現在の当市議会の作業工程では、校正途中の原稿には確認や調整を要する事項も相当量あり、不正確な情報を公開することにより市民の混乱を招く恐れがあるため、難しいと判断しています。
しかし、ご指摘のとおり、会議録は市民が議会に関する情報を得ることができる重要なツールであります。議会基本条例制定を契機に、より開かれた議会の実現を目指すべく、お示しの三郷市議会などの先進地のスキームを参考に会議録作成の作業工程や業者に委託する業務を見直し、速報版の導入も含め、少しでも早い公開ができるよう検討して参ります。
なお、条例中に「会議録を速やかに公開」との条文を折り込むご提案については、現状ではこれを担保できる状態になく、今後の検討課題とさせていただきます。
【感想】
うーん、やはりひらりとかわされた感が強い回答となってしまいましたね~(笑)
残念!!
他の意見に対する回答を見てみると、確実にやりそうなことは「~に改めることとします」や「~こととします」という力強いニュアンスとなっているように感じられまして、一方の「検討して参ります」はやはり手ごたえがなさ過ぎますねぇ、、
それにしても、他の意見の中には、専門的な知見に基づいた難しい内容のもの(解読するのを諦めるほどエグイもの)もありまして、奥が深いものだと感じました。
いやはや、それに対応している職員さん(議会事務局の方)には頭が下がります。
また、私のケースのように、思い付きレベルの意見に対しても懇切丁寧に回答してくれるのも、考えてみれば貴重なことですよね。
正直、パブコメの中には玉石混交なコメント(おそらく専門の職員からしてみたら石が多く感じられるかもしれない)が入り混じっているものと思われますが、願わくば、その中でも素朴だけど本質を突く意見(磨けばキラリと光る玉の原石)をしっかり見出して、政策にポジティブに反映させていってもらいたく思います。
当然コメントの質にもよりますが、多少筋の良いコメントがあっても計画ありきで全て跳ね返されてしまうようでは、「どうせ反映されないんなら、パブコメも所詮単なるアリバイ作りでしょ」とレッテルを張られたままになってしまいます。
少しでも心に響く意見であれば、「ちょっとした意見が政策に反映された」という小さな実績=達成感/成功体験を市民に感じてもらえるよう、受け手側(行政)はほんの少しでも良いので改善に向けて具体的なアクションを講じてもらえれば、より建設的なパブコメの制度になっていくのではないでしょうか。
もちろん、そのためには的を射た意見を提案できるだけの情報を主体的に収集することが市民には求められることになるのですが、、
という訳で、もうちょい頑張れ市民、ですね。
結果はさておき、今回のパブコメは興味深い機会になりました。
真摯に対応してくださった職員さん、ありがとうございました!
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